お墓に使用する石といえば、御影石 石材選びの目安

お墓を建てる際、決めるべきもののひとつに『石の種類』があります。石にはさまざまな種類があり、その数はなんと200種類を超えるといわれています。大自然の中から採れる石は、色も地も多種多様。いざ依頼しようと思ったとき、200種類の中から選ぶというのは難しいですよね。多くの場合、墓石に向いている石材を石材店があらかじめ選んでいることがほとんどです。その石がお墓に向いているかどうかは非常に重要であり、お墓づくりの大きなポイントとなります。石の選択基準は石材店によってさまざまですが、『見掛け比重』『吸水率』はひとつの目安になるといえるでしょう。このページでは、墓石に用いる石についてご紹介します。

石にはそれぞれ産地があります。日本で採石される石は日本産、インドで採石される石はインド産という風に、世界各地で石は採掘されています。そして日本産とひとことで言っても、瀬戸内海に面した地方や東北地方など、さまざまな地域で古くから採石されてきました。地域によって地質や環境が異なるため、採れる石はそれぞれに特色が見られ、値段も異なります。
墓石に用いられる石といえば一般的に御影石があげられますが、中でも日本産・中国産・インド産の石が墓石に多く使用されています。それぞれの特徴をまとめてみました。

吸水率 価格 特徴
日本産 低め 高い傾向 国内で採れるため日本の風土に合う/使用実績が高い
中国産 やや高め 安い傾向 産出地によって品質に差がある
インド産 やや低め やや高め 黒御影石の種類が豊富/経年劣化に強い傾向

もちろん、一概にこれとあてはめられるわけではありません。日本産の石でも吸水率が高いものはありますし、中国産の石でも価格が高いものはあります。200種類以上ある石は分類が難しく、同じ地域でも採れる時期や場所によって色や目合いが変わるほど。一概に言い切れないのもまた、石の持つ魅力といえるでしょう。

吸水率と見掛け比重

吸水率

雨が降った際、一見すると石は水を弾いているように見えます。ですが石には目に見えない細かな穴や隙間が表面にあり、そこから水を吸っています。その石がどの程度水を吸っているのかをあらわしたものが吸水率です。一定時間内にどれくらいの水を吸うのか実験し、検証結果を数値であらわすことで、吸水率の高さ・低さが決まります。吸水率は石の密度や硬さに関係します。密度の高い石は水を吸いにくく、耐久性に優れた硬い石です。

墓石への使用に関しては、一般的に吸水率が低い石のほうが好まれている傾向にあります。

吸った水が抜けきれないまま蓄積されると、艶や色の変化などの表面の経年劣化だけでなく、ひびの原因になるともいわれており、注意が必要です。特に冬の寒さが厳しい季節となると吸った水が内側で凍り、ひび割れを起こしやすくなります。

墓石は屋外に設置することがほとんどで、長い間、雨風にさらされます。吸水率の低い石を選ぶことにより、表面の状態を長く維持でき、劣化を遅らせることができるでしょう。

吸水率が高い石は石の色が変わりやすく、苔がむしやすいため、経年変化を感じられること・風情があることなどの理由から好んで使用される方もいます。その場合、吸水率が高い石は特にお手入れが大事であると覚えておく必要があります。

見掛け比重

見掛け比重といわれても、聞いたことがない方も多いかもしれません。

見掛け比重とは1立方メートルあたりの体積に対する重さをあらわしたもので、この数値が大きいと、同じ大きさのものでも重量が重くなります。

単位はt/㎡で、主に墓石に使用される御影石では、おおよそ2.6~2.7が平均とされています。見掛け比重の値が高ければ高いほど石の密度が高く、石材そのものの強度が高まり、耐久性に優れているといわれています。

ただし、過信は禁物です。見掛け比重が高いから安心ということではなく、施工技術や耐震施工など、石材店によるさまざまな対策により、墓石が長持ちするということを覚えておきましょう。

石種のご紹介

コトナラでは、石の種類を一挙ご紹介しております。
お墓の石を選ぶ際、ぜひご活用いただき、お役立ていただければ嬉しく思います。

① 石の写真
石材の写真を掲載しています
② 産地の地図
石材産地を地図上で表しています
③ 石の名称
石材の一般的な名称です
④ 石の特徴
石材の持つ特徴を記載しています
⑤ 見掛け比重
石材の見掛け比重です
⑥ 吸水率(%)
吸水率をパーセントであらわしています
⑦ 吸水率(5段階)
吸水率を5段階であらわしています

石種一覧

石種の名称
M-10
石種の特徴
インド南部、テランガーナ州で採掘される。黒をベースに目細な白が入っているのが特徴。石質は硬く、研磨による艶のりが良い御影石。日本では墓石材に多く使われている石で、大材も採れ、欧州をはじめ海外では建材としても広く用いられている。
見掛け比重 3.090 (t/m3)
吸水率 0.00 (%)
低  ● ・・・・ 高
石種の名称
SG-2
石種の特徴
インド、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。硬質な黒御影。石質は硬く、研磨による艶のりが良い。鏡面的な光沢がみられるのが特徴。重厚な雰囲気を持ち、和型・洋型ともに、高級墓石材として人気のある石のひとつ。
見掛け比重 3.150 (t/m3)
吸水率 0.00 (%)
低  ● ・・・・ 高
石種の名称
アーバングレー
石種の特徴
インド、カルナータカ州で採掘される。安定した採掘量を誇り、比較的大材も採れるインドを代表する御影石のひとつ。透明感のある中目でうっすらグリーンをまとったグレー系の石。粘り強く硬質な石で経年変化も少ないため、主に墓石材としての用途が多い。和型や洋型、オリジナル墓など幅広い形態の墓石に用いられている。
見掛け比重 2.620 (t/m3)
吸水率 0.050 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
インドマホガニー
石種の特徴
マホガニーとはセンダン科の樹木の総称で、日本語では桃花心木という。桃花心木は赤黒い色(茶褐色)系の色をしている。そのような色をマホガニー(色)ということから名づけられた。
見掛け比重 2.660 (t/m3)
吸水率 0.10 (%)
低 ・・ ● ・・ 高
石種の名称
カシミールホワイト
石種の特徴
インド、タミルナードゥ州で採掘される。
白ベースの中に黒色と赤紫色の斑点があるのが特徴。
インド産の御影石の中では吸水率が高めである。
見掛け比重 2.630 (t/m3)
吸水率 0.130 (%)
低 ・・・ ● ・ 高
石種の名称
クンナム
石種の特徴
南インド、タミルナードゥ州クンナム村で採掘される。世界で最も硬い黒御影石といわれ、採掘場により若干の差はあるがインドを代表する最高級石材。主に墓石材の高級黒御影石として人気があり、黒く光沢のある墓石は存在感のある尊厳な印象を与えてくれる。
見掛け比重 3.037 (t/m3)
吸水率 0.011 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
タンブラウン
石種の特徴
インド、テランガーナ州で採掘される。基本的には濃い褐色を持ち、黒を基調に赤や茶色の柄と白い目合いが混ざり合った独特の色調を持つ御影石。表面加工の種類で色の雰囲気がかわることから、墓石としてはオリジナルのデザイン墓に用いられることが多い。和型や洋型の墓石材としても高級感が有り、近年、人気を集めている。
見掛け比重 2.690 (t/m3)
吸水率 0.030 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
ディープグリーン
石種の特徴
インド、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。黒をベースに目細なグリーンが入る、黒色に近い濃いグレー系の御影石。日本では墓石材に多く使用される石で、石質は硬く研磨による艶のりの良い石。
石種の名称
ニューインペリアルレッド
石種の特徴
インド南西部、カルナータカ州で採掘される。赤の色調に黒の雲母模様が混ざり合った赤御影石を代表する石のひとつ。採掘される場所や時期によって色調に違いがあるため、色合わせには注意が必要。大材が採れることから大型建築物、記念碑などに使用される他、墓石材としてのニーズも高い。
見掛け比重 2.969 (t/m3)
吸水率 0.080 (%)
低 ・・ ● ・・ 高
石種の名称
ハッサングリーン
石種の特徴
インド南西部、カルナータカ州で採掘される。重厚感があり、落ち着いた雰囲気を感じさせる硬質なグリーン系の御影石。研磨による艶のりが良いのが特徴。時期や採掘場により異なる目合い・色合いを見せる。石質が比較的安定しており、安定供給できるのも大きな魅力。
見掛け比重 3.030 (t/m3)
吸水率 0.060 (%)
低 ・・ ● ・・ 高
石種の名称
バハマブルー
石種の特徴
インド、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。大自然が生み出す色調がマーブル模様と言われており、その模様のひとつひとつに違いがある御影石。青や紫が混在する色調に白などが溶け合い、柔らかな波目を描く独特の色合いを持つ。特徴のある石目が好まれており、墓石としては洋型墓石やデザイン墓などに用いられる人気の石。
見掛け比重 2.830 (t/m3)
吸水率 0.020 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
インドベルガム
石種の特徴
インド、カルナータカ州で採掘される。黒色の色調に独特な白の模様が入るグレー系の石で、比較的硬く研磨による艶のりが良い御影石。長材が採れ、墓石材としての用途が多い。雨期になれば採掘場が水没するため数ヶ月間採掘が止まってしまうこともある。
見掛け比重 2.930 (t/m3)
吸水率 0.010 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
マルチカラーレッド
石種の特徴
インド、タミルナードゥ州で採掘される。赤い色調に黒の流れるような柄がマーブル模様に入る、独特な色調の御影石。特徴ある模様が注目を集め、主に洋型墓石・デザイン墓に用いられている。インド産の御影石の中では比較的吸水率が高い。
見掛け比重 2.610 (t/m3)
吸水率 0.290 (%)
低 ・・・ ● ・ 高
石種の名称
R-6
石種の特徴
インド、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。黒をベースに目細な白が入る、黒色に近い濃いグレー系。石質は硬く、研磨による艶のりの良い御影石。
石種の名称
Y-1
石種の特徴
インド、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。艶のある表面の黒の上に牡丹のようなグリーンの石目が特徴の御影石です。艶持ちもよく劣化も少ない見た目と、高い硬度を誇る品質から幅広く人気がある。
見掛け比重 3.070 (t/m3)
吸水率 0.020 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
YKD
石種の特徴
インド、タミルナードゥ州で採掘される。黒系の石が種類が多くある中で、主流となっている黒御影石。研磨による艶のりも良く、和型墓石から洋型墓石、デザイン墓、記念碑など幅広く用いられている。
見掛け比重 3.016 (t/m3)
吸水率 0.028 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
ZMF
石種の特徴
インド南西部、カルナータカ州で採掘される。はっきりした石目のグレー系御影石。透明感があり、上品で落ち着いた雰囲気を持つ。
見掛け比重 2.620 (t/m3)
吸水率 0.060 (%)
低 ・・ ● ・・ 高
石種の名称
インド銀河
石種の特徴
インド、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。インドを代表する青系の細目の御影石。天空の銀河を想像させる石で人気が高い。石質は硬く吸水率も低いため、特に和型墓石として好まれている。
見掛け比重 2.631 (t/m3)
吸水率 0.066 (%)
低 ・・ ● ・・ 高
石種の名称
インド天山
石種の特徴
インド南西部、カルナータカ州で採掘される。佐賀県で採れる天山石と似た名前だが、石目と色調は大きく異なる。石目が近い石としては同じインド産のアーバングレーが挙げられる。価格は若干安価。
石種の名称
サファイアブラウン
石種の特徴
インド、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。風化に強く耐久性に優れているため、屋外はもちろん玄関やキッチンカウンターなどの内装にも使用されることが多い。美しい粒状の結晶が高級感を与えてくれる。インド産の御影石の中では吸水率が高い。
見掛け比重 2.690 (t/m3)
吸水率 0.160 (%)
低 ・・・ ● ・ 高
石種の名称
シルバーグレー
石種の特徴
インド南西部、カルナータカ州で採掘される。グレー系の御影石。研磨することにより、透き通った光沢が見られるのが特徴。採掘量は限られており、希少な石のひとつとされている。
見掛け比重 2.660 (t/m3)
吸水率 0.020 (%)
低 ・ ● ・・・ 高
石種の名称
APG
石種の特徴
インド南西部、アーンドラ・プラデーシュ州で採掘される。青系細目の石種の中でも人気が高い白御影石。銀河の星くずを思わせる白い玉の模様があり、目が細かく透明感のある美しいグレーの色合いが特徴。
見掛け比重 2.640 (t/m3)
吸水率 0.130 (%)
低 ・・・ ● ・ 高
石種の名称
G603
石種の特徴
中華人民共和国、福建省で採掘される。採掘の歴史も古く、中国の代表的な白御影石。墓石だけではなく建築材、環境石材などあらゆる分野で使用されている人気の石。純白で清潔感があるのが特徴。
見掛け比重 2.640 (t/m3)
吸水率 0.370 (%)
低 ・・・・ ●  高
石種の名称
G623
石種の特徴
中華人民共和国、福建省で採掘される。日本のお墓で古くから最も多く使用されている御影石。見た目は白系で大きな石目が特徴で全体的にやわらかい印象。ムラがなく、石質も安定している。
見掛け比重 2.645 (t/m3)
吸水率 0.330 (%)
低 ・・・・ ●  高
石種の名称
G635
石種の特徴
中華人民共和国、福建省で採掘される。ピンク系で石目が大きい御影石。G663に比べ目合いは粗く、もともとは建材などで使われていたが最近では墓石に使用することも増えている。洋型、デザイン墓に適している石材。
見掛け比重 2.590 (t/m3)
吸水率 0.390 (%)
低 ・・・・ ●  高

0120-594-940

通話無料 9:00~18:00
無料 情報案内
365日24時間受付中