葬儀の形式に種類があることをご存知ですか?
- 2019.09.30 | 知識
近年、終活ブームにともない供養の形が多様化しています。
自然葬や樹木葬、手元供養など新しい供養のかたちが登場し、終活として生前に自分のお墓や骨壺を選ぶなど、自分らしさを大切にした供養を行う方が増えてきました。
同じように、葬儀についても人それぞれのニーズにあわせた選択肢が用意されています。
自分らしさを追求したい方、あまり遺族に負担を掛けたくないと考える方など、さまざまな考え方があるでしょう。
元気なうちに自分の葬儀スタイルを決めておきたいと思う一方で、遺された家族が行いたい葬儀の形というものもあると思います。
人の数だけ考え方があり、そこに優劣や誤りはありません。
本人や家族にとって、どのような葬儀が一番ふさわしいのでしょうか。
葬儀も多様化しており、どのような種類があるのかわからないという方も増えています。
そこで今回は、葬儀の種類や特徴についてご紹介していきます。
葬儀の多様化
現在の葬儀には多くの種類が存在します。
突然不幸に見舞われた際、遺族は限られた時間の中で手配や段取りを進めなければなりません。
そこで、どのような葬儀を行うのかを事前に話し合っておくと良いでしょう。
一般葬
一般的にお葬式といえば、一般葬をイメージされる方がほとんどだと思います。
日本の伝統的な形式と言えるでしょう。
家族や親族のほか、知人、職場の方などを呼んで行う一般的な葬儀です。
前の日にお通夜を行い、翌日にお葬式・告別式を行います。
本来、お葬式は故人の成仏を祈る宗教的な儀式であり、告別式は故人との別れを告げる社会的な儀式ですが、近年では一緒に行われることがほとんどです。
家族葬
近年、注目されている葬儀形式が家族葬です。
名前の通り、家族などごく一部の親しい方のみで葬儀を行います。
一般的に知人や会社関係者は参列しません。
故人との最後の時間をゆっくりと過ごしたい方におすすめです。
比較的費用が安価に抑えられることや親族間のみで行えることから、選ぶ方が増えています。
密葬
家族葬と似た形式ですが、密葬の場合は故人の死や葬儀のことを周囲に知らせません。
以前は著名人などが死去した際、大規模に執り行われる本葬の前に内輪で行う葬儀のことを指した言葉でした。
今では小規模な葬儀全般を指す言葉として使われることもあるようです。
社葬
会社が主宰となって行われる葬儀を社葬といいます。
主に故人が会社の代表である場合や、業務上で亡くなった場合に行われる葬儀の形態です。
一般葬の場合では施主も喪主も遺族となりますが、社葬の場合は施主が会社の代表者、喪主が遺族と別々になることが特徴です。
故人の死を悼むのはもちろんのこと、会社の継承者についてなどの発表が行われることもあります。
一般的に、社葬は企業の取引先や関係団体などが参列するため規模が大きくなることが多いようです。
遺族や親族は密葬として、事前に別で葬儀を営む場合もあります。
合同葬
複数の会社や遺族などと合同で営む葬儀のことは一般的に合同葬といわれます。
一日葬
一般葬などほとんどの場合、お通夜と葬儀式・告別式は日が分かれます。
一日葬はお通夜を行わず、葬儀式・告別式だけを行う葬儀形式です。
特に高齢者など、遺族の負担を減らせることから近年では選ばれる方が増えています。
直葬
直葬ではお通夜と葬儀式・告別式いずれも行わず、多くは火葬をした後に納骨をもって故人を見送ることになります。
そのことから火葬式とも呼ばれています。
価格が抑えやすく、遺族の負担が少ないという点から最近では選ばれる方が増えてきました。
しかし、他の葬儀方法と違いお別れの時間を十分に取ることができません。
後に弔問の機会を設ける方法もありますが、後悔のないようにしっかり考えて慎重に選択することが大切です。
簡単であること、安価であることから直葬を選んだのに、結果としてトラブルが起こったり逆に大変だったりという場合もあるようです。
慎重に選択することが大切です。
自由葬
近年では、伝統やしきたりにとらわれず、自由な葬儀形式で故人を見送るケースが増えてきています。
例えば故人の好きだった音楽を流す音楽葬や、お別れ会など宗教のしきたりにとらわれない無宗教葬などがあります。
さまざまなアレンジが加えられた葬儀を行える一方、一般的に思い浮かべる葬儀とは雰囲気が異なることから親族が反対するケースも多いようです。
必ず事前に相談し、親族の了承を得ておきましょう。
骨葬
火葬後にご遺骨で葬儀を行うことを骨葬といいます。
事情により一刻も早く火葬しなければならない場合や、海外などで亡くなった場合などに骨葬を行うことが多いようです。
中には葬儀といえばご遺骨で行うことが一般的という地域もあります。
また、密葬を行った後に社葬や合同葬を営む場合はご遺骨で葬儀を行うことになります。
まとめ
葬儀の種類や特徴についてご紹介しましたが、いかがでしょうか。
葬儀と一言で言ってもさまざまな種類があり、どの葬儀形式が最適かは家族によって異なります。
また、可能な限り普段のうちに決めておくことも重要です。
時間をかけて検討することができ、納得のいくまで悩むことができるからです。
いずれにしても本人をはじめ家族や親族とよく話し合い、了承を得ておくことが大切です。
わからないことがあれば葬儀社やお寺などにも相談されてみてはいかがでしょうか。