永代供養を検討している方の中には、毎年どのような費用がかかるのかについても気になる方は多いのではないでしょうか。初期費用や年間費用など、費用面についても契約前にきちんと把握しておくことが大切です。また、永代供養には、さまざまなメリットがあるものの、いくつかおさえておきたいポイントもあります。
　
本記事では、永代供養を検討している方に向けて、初期費用や毎年かかる費用、注意点などを詳しく解説します。
　

永代供養の費用は毎年かかる？

　
永代供養とは、故人の遺骨を保管する霊園や寺院に、永代にわたって供養してもらうことを指します。基本的に、永代供養には毎年かかる費用はありません。しかし、ご遺骨の個別安置期間が設けられた永代供養については、納骨したあとに毎年管理費がかかることが一般的です。
　
では、ご遺骨を永代供養するときにかかる費用について解説します。
　

「永代供養料」は毎年かかる費用ではない

永代供養料とは、霊園や寺院が遺骨をご家族に代わって永代にわたり供養するサービスに対して発生する費用のことです。初期費用として契約者が支払うことが一般的で、毎年かかるものではありません。
　
永代供養料は埋葬方法によって異なり、それぞれ以下が費用の目安です。なお、ここでは全国的な永代供養料の費用相場をご紹介します。

• 合祀墓：10万〜30万円
• 樹木葬：20万〜150万円
• 永代供養付きの個人墓：40万〜150万円
• 納骨堂：50万〜200万円

「永代供養料」と「永代使用料」との違い

永代供養料と混同されやすいのが、永代使用料です。永代使用料は、墓地を永代にわたって使用するための費用のことで、永代供養料とは異なります。この永代使用料も、たとえば永代供養の個別墓の場合には初期費用として発生することが一般的です。
　
永代使用料の全国的な費用相場は、60万～80万円です。なお、墓地の費用は地価に比例するため、都心部にかけては費用が高くなる傾向があります。
　

個別安置期間を設けたお墓には「管理費」が毎年かかる

前述のように、個別安置期間のあるお墓には、毎年管理費が発生します。個別安置期間は、霊園や墓地によって異なりますが、基本的に「〇回忌」という節目に設定されます。個別安置期間が終わり、ご遺骨が合祀されると年間の管理費の支払い義務がなくなることが一般的です。
　
そもそも管理費とは、霊園や寺院など施設の設備維持にかかる費用のことで、個別墓を建てるときに墓地の公共スペースや設備に対して支払うものです。
　
管理費の全国的な費用相場は、年間1万円前後です。ただし、墓地には公営墓地や民間墓地などの種類があり、それぞれ管理費は異なります。そして、寺院墓地の場合は管理費の代わりに護持会費（門徒費）がかかることが特徴です。
　

永代供養にかかるその他の費用

永代供養には、その他にも主に以下のような費用が発生します。

• お布施：法要の読経供養などのお礼として僧侶へ支払うお金
• 彫刻料：石碑や墓碑に故人の名前や没年月日を彫刻するときにかかる費用

　
お布施は、納骨式や年忌法要のときにかかるお金のことで、3万～5万円が相場です。また、彫刻料は石碑や墓碑に刻む戒名を彫刻する際にかかる費用で、一人あたりの費用相場は3万～5万円といわれています。
　
その他、納骨堂や室内墓所などでご家族が一緒に収蔵される形式の永代供養プランが用意されているケースもあります。そうしたプランの場合、あとから納骨される際に手数料がかかることもあるようです。
　
ご遺骨の永代供養を検討する場合は、事前に費用の内訳についてきちんと確認しておきましょう。
　

年間の管理費が発生するお墓の種類

　

　
これからお墓を建てる場合は、故人やご家族の意思を尊重したうえで、費用面からお墓の種類を検討することも重要です。そして、初期費用だけでなく毎年かかる費用についても把握しておかなければなりません。
　
個別安置期間のあるお墓に対して毎年発生するのが、管理費です。ここでは、管理費が発生するお墓の種類について解説します。
♦永代供養付き個別墓
♦納骨堂
♦室内墓所
♦集合墓
　

永代供養付き個別墓

永代供養付き個別墓の場合、基本的に、個別安置期間に毎年管理費が発生します。永代供養付き個別墓の個別安置期間は、約25年や50年といった長期間に及ぶことが多いようです。
　
永代供養付き個別墓とは、永代供養のサービスが付いた一般的なお墓のことです。霊園に永代供養してもらえるため、継承者を立てる必要はありません。
　
個別安置期間中にご家族が契約更新すれば、お墓はそのまま残ります。一方で、個別安置期間を過ぎても契約が更新されないと、お墓は撤去され、ご遺骨が永代供養墓に合祀されます。ただし合祀されると、あとからご遺骨を取り出せなくなることが一般的です。
　

納骨堂

納骨堂の場合も、個別安置期間に毎年管理費がかかります。納骨堂とは、遺骨を収蔵する屋内施設のことです。納骨堂といっても種類はさまざまで、主にロッカー型やマンション型、棚式、位牌式、仏壇式があります。
　
個別安置期間内であれば、ご遺骨は骨壺の中に安置されるためいつでも取り出せます。また墓石を建てないため、個別墓と比べて費用が安くなることが多いようです。
　

集合墓

毎年管理費がかかるお墓として最後にご紹介するのが、集合墓です。集合墓とは、遺骨を収蔵するスペースが設けられているお墓のことをいいます。個別安置期間においては個別に供養して、期間が過ぎたら合祀することが一般的です。
　
集合墓では基本的に個別の墓地区画や墓石がないため、個別墓より費用を抑えられます。
　

永代供養を生前予約・契約する際のポイント

最近では、「終活」という言葉が定着してきており、永代供養が付いた自分のお墓を生前予約しようというケースが増えているようです。生前予約とは、元気なうちに自分のお墓を準備しておくことを指します。
　
生前契約することには、自分好みのお墓を建てられたり、永代供養後のご家族の負担を軽減できたり、さまざまなメリットがあります。
　
ここでは、永代供養を生前予約・契約するときのポイントをご紹介します。
　

個別安置期間にかかる毎年の管理費を先払いする

当初から個別安置期間が定まっているお墓の場合は、生前契約して管理費を先払いするケースもあるようです。生前契約することで永代供養のあとにご遺族が毎年管理費を支払う必要がなくなります。
　
大切な故人を亡くしたあとのご家族は、大きな心理的・経済的な負担を抱えています。大切な人を亡くした悲しみから、限られた時間の中で葬儀やお墓のことをきちんと考えられない状況にあるかもしれません。元気なうちに自分のお墓について考えておくことで、遺されたご家族の負担軽減につながります。
　

毎年の管理費がかからない永代供養を選ぶ

管理費がかからない永代供養のお墓を選ぶ選択肢もあります。個別安置期間が設けられていない永代供養のお墓では、年間管理費はかからず、初期費用のみ発生することが一般的です。年間管理費がかからないお墓として、たとえば、合祀型の永代供養墓があげられます。
　
このように、生前契約には、残されたご家族への負担を減らせるというメリットがあります。こうしたメリットを活かすために、契約前には必ず管理の仕方や費用などについてご家族とよく話し合っておくことが大切です。
　

永代供養でおさえておきたい注意点

　
お墓に永代供養を付ける場合は、あらかじめ以下の点に注意しておくことが大切です。
♦ずっと個別に管理されるわけではない
♦事前に家族とよく話し合って決める
　
ここでは、永代供養する際におさえておきたい注意点について解説します。
　

ずっと個別に管理されるわけではない

前述のとおり、個別安置期間が設けられているお墓の場合、契約期間が過ぎると合祀されます。永遠に個別管理されるわけではありません。
　
合祀されたあとも、施設がある限り供養は続けられることが一般的です。ただし、合祀されると、あとからご遺骨を取り出せなくなる点に注意しましょう。
　

事前に家族とよく話し合って決める

永代供養墓にする場合は、事前にご家族に相談して理解を得ておくことが重要です。
　
永代供養は個別埋葬ではなくなるため、周囲の理解を得にくいといわれます。そして、お墓は、故人だけでなく、ご家族全員がかかわる事柄です。そうしたことから、親族への相談なしに契約を進めてしまうと、親族間のトラブルへ発展するおそれもあります。
　
永代供養には、継承者を立てる必要がなく、維持管理の負担がかからないことなど、さまざまなメリットがあります。そのような永代供養のメリットをご家族にもきちんと伝えておきましょう。
　

まとめ

　
本記事では、永代供養にかかる費用について解説しました。永代供養墓の中でも、個別安置期間が設けられたお墓については、契約期間内に毎年管理費がかかることがあります。その他、永代供養料や永代使用料などの初期費用、お布施代がかかるケースもあります。
　
なお、費用負担などを考慮して、永代供養を生前契約する選択肢もあります。あらかじめ、個別安置期間が定まっている場合は管理費を先払いすれば、ご遺族の経済的な負担軽減につながるでしょう。
　
永代供養にはさまざまなメリットがある反面、周囲からの理解を得にくいともいわれます。親族間のトラブルを防ぐためにも、事前にご家族に相談しておくことが重要です。
　
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