永代供養を詳しく解説!永代使用・納骨堂との違いとは?
ご先祖様や故人を供養する際、普段のお墓参りや一周忌、三回忌などの年忌法要を営みます。
さまざまな供養のかたちがある中で、近年では永代供養(えいたいくよう)という言葉を耳にするようになりました。
聞いたことはあっても永代供養とはどのような供養をいうのか、正確にご存知の方はあまり多くないかもしれません。
そこで今回は、永代供養について詳しく解説します。

永代供養とは?
永代供養とは、お寺や霊園の管理者が遺族に代わってご先祖様や故人を供養する供養方法を指します。
お寺や霊園などに管理や供養をお願いする理由は人それぞれですが、主な理由としては、お墓が遠くにあることやお墓を管理する承継者が近くにいないことなどが挙げられます。
自分の手でしっかりお墓の管理をすることが一番ですが、現実的に難しいケースもあります。
管理ができないまま長い間お墓を放置してしまうと、無縁墓とみなされ撤去されてしまうことも考えられます。
そうならないよう、大切な故人を供養するために永代供養という仕組みがあるのです。
お墓の引き継ぎを前提にしていないため、身寄りのない方や跡継ぎのいない方でも安心して依頼することができます。
永代供養の形態
永代供養には一般墓と同じような個別墓石(集合墓)のほか樹木葬、合祀墓、納骨堂などがあり、形態によって価格帯が異なります。
場所にもよりますが、基本的に合祀墓が最も安価で樹木葬、納骨堂・個別墓石(集合墓)の順に高くなる傾向にあるようです。
永代供養と永代使用の違い
永代供養によく似た言葉で永代使用があります。
同じ意味にとらえてしまいそうですが、実はまったく異なるため、注意が必要です。
永代使用というのは、お墓が建つ土地(墓所)を永代にわたり使用できる権利のことを指しています。
お墓を建てても10年後に土地の権利が切れてしまうようでは、お墓を持ち続けることができません。
そこで永代にわたって土地を使用する権利を得ることで、その場所にいつまでもお墓を残すことができるのです。
永代供養は代わりに供養をしてもらうこと、永代使用は墓地を永代にわたり使用する権利を取得することと覚えましょう。
永代供養は永遠に供養してもらえる?
永代供養をお願いすることでお寺や霊園の管理者が代わりにご遺骨の管理や供養を行うわけですが、その期間は永遠に続くのでしょうか?
永代という言葉を聞くと永遠に管理や供養してもらえると考えてしまいがちですが、実はそうではありません。
ほとんどの場合は永代供養の期間が決まっていて、33回忌までを期限としているところが多いようです。
お寺や霊園によってはその先まで期限を設けているところや、17回忌までと比較的短い期限を設けているところもあります。
いずれにしても永代供養は永遠という意味ではなく、ある期限まで代わりに供養しますよという有期限の契約です。
永代供養の内容についてはお寺や霊園によってさまざまですので、必ず事前に確認しておきましょう。
永代供養の契約期限が過ぎたら
永代供養には期限が決まっていると紹介しましたが、期限を過ぎたあと、ご遺骨はどうなってしまうのでしょうか?
永代供養の期限が過ぎたご遺骨は、合祀墓などの共有スペースに合祀されるケースが多いようです。
これもお寺や霊園によって対応が違うため、契約の際に必ず確認するようにしましょう。
契約が終わってから思っていた永代供養と違い、いつの間にか合祀されていたということが無いようにしたいものです。
合祀ではなく合葬という言葉を使うこともありますが、どちらも同じ意味で使われます。
合祀してしまうとほとんどの場合、ご遺骨を取り出すことができません。
そのため永代供養を依頼する際は、後に合祀されることを理解した上で契約するか、期限が過ぎる前に別のお墓や納骨堂に改葬する旨を伝えましょう。
永代供養と納骨堂
永代供養と納骨堂はまったく別のものです。
永代供養とは供養を代わりにやってもらう『仕組み』で、納骨堂はご遺骨を安置する『場所』を指します。
混同されがちですが、供養方法と安置場所という異なる分類に属した言葉なので注意が必要です。
永代供養を依頼できる納骨堂もありますが、一般墓と同じように先祖代々受け継いでいくタイプの納骨堂もあります。
さまざまな契約形態があるため、自分たちに合ったものを選びましょう。
永代供養タイプの納骨堂はありますが、永代供養と納骨堂はイコールではないのです。
永代供養と納骨堂の違い
永代供養と納骨堂の違いについてご紹介します。
ここで指す納骨堂とは永代供養ではないタイプです。
期限
永代供養は個別に納骨していたとしても33年を目安に合祀されるケースがほとんどです。
納骨堂には期限がないものも多く、代々受け継ぐこともできます。
管理・供養
永代供養の場合は家族にかわってお寺や霊園が管理・供養します。
納骨堂の場合も共用スペースはお寺や霊園が管理しますが、お参りなどの供養に関しては一般のお墓と同じように、家族や親族で行います。
年間管理費
永代供養は多くの場合、最初に支払う金額に契約年数分の管理費が含まれています。
そのため、初期費用を払ったら追加でお金がかかるケースは多くありません。
反対に納骨堂の場合は、年間管理費として毎年支払うことが多いようです。
個別か合祀か
永代供養で契約期間内は個別埋葬を選ぶことができますが、期限を過ぎたらほとんどの場合は合祀されます。
また、合祀墓といった初めから合祀されるタイプの永代供養もあります。
合祀されるとほとんどの場合、後からご遺骨を取り出すことはできなくなりますので注意しましょう。
納骨堂の場合は殆どが個別タイプです。
年間管理費を支払うことによって永続的に個別で安置されます。
まとめ
住んでいる場所とお墓の場所が離れているなどの理由から、お墓の管理が難しいというケースは珍しくありません。
そこでお寺や霊園が遺族に代わって管理してくれるのが永代供養です。
ただし、永代供養には期限が設けられているため、必ず期限やその後の対応について事前に確認しておきましょう。
また、支払いについても確認が必要です。
遠くに住んでいて、お墓を管理するのが難しい方にとって永代供養が助けになるのは間違いありません。
必要な状況にある場合は、お寺や霊園に永代供養について相談してみてはいかがでしょうか。