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キリスト教のお墓について|墓石・埋葬方法|詳しく解説します

日本における代表的な宗教としては仏教や神道が挙げられます。
国内の信者数はその二つの宗教で割合の多くを占めますが、世界的にみると仏教・神道合わせても1割に届きません。
 
世界でもっとも信者数が多いのはキリスト教で、その数は20億人以上といわれています。
反対に日本でのキリスト教徒の割合は1%程度と少数派です。
 
しかし、日本ではキリスト教徒でなくとも結婚式やクリスマスなど、キリスト教式の祝いごとやイベントを行い、身近に感じている方は多いかもしれません。
 
多くの方が身近に感じてはいるものの、その信者の方々が亡くなった際に建てられるキリスト教のお墓について考える機会はあまりないでしょう。
 
形は十字架? それとも普通のお墓? 埋葬方法は土葬? それとも火葬?
考えてみるといくつもの疑問が湧いてきます。
 
実際のお墓は信者数が多い東京都や神奈川県、隠れキリシタンの地として有名な長崎県や熊本県の天草地方で多く見ることができます。
 
いったいどのような特徴をしていて、一般的な仏式のお墓とはどう違うのか、キリスト教のお墓について見ていきましょう。
 

 

 

キリスト教の死の捉え方

キリスト教では、死は新しい旅立ちとされています。
人は亡くなると天に召され、復活の時を待つというのがキリスト教の死生観です。
 
そのため、キリスト教においてお墓の持つ意味は仏教や神道とは大きく異なります。
魂は天に召されるという教えから、お墓に魂が宿るという考えはありません。
 
また、仏教のような先祖崇拝という概念がなく、故人に祈りを捧げることもしません。
偶像崇拝を戒めているキリスト教では、神以外に祈りを捧げることはしないのです。
 
そのためキリスト教におけるお墓とは故人を偲ぶための場所であり、故人が生きていた証としての意味が込められています。
 
お墓というよりは故人の記念碑に近いものと考えると良いでしょう。
 

キリスト教の墓石の特徴

キリスト教のお墓は素材や形もそれぞれです。
 
仏式で多くみられる縦長の形はしておらず、基本的にオルガン型やプレート型といった横広の形をしたものを多く見かけます。
 
仏式のお墓同様、御影石でつくられたお墓もありますが、中には大理石やガラスでつくられたお墓を見ることもあるでしょう。
 
その多くは芝生の上に建てられ、十字架の形をしていたり、一部に十字架が彫刻されていたりします。
 
キリスト教では基本的にお線香をあげる習慣がないため、仏式のお墓でみられる線香立はありません。
また、供える花は菊などの仏花ではなく、白いユリやカーネーションを供えます。
 
そのほか、お墓に洗礼名や聖書の一説、聖歌・賛美歌がローマ字で刻まれることも特徴的です。
 
キリスト教では仏教のようにお墓を先祖代々受け継いでいくという考えはなく、基本的に一人ひとりにお墓が建てられます。
日本では敷地の問題などから家族が同じお墓に入るケースもあり、九州地方の、特に長崎県のお墓ではご遺骨を多く納められるカロート式(地上納骨)が選ばれる傾向にあるようです。
 
その場合は仏式と同様に『○○家』と記されることがあります。
 

キリスト教徒のお墓はどこに建てるの?

キリスト教徒はどこにお墓を建てるのでしょうか。
 
基本的に所属教会の墓地や、宗教不問の公営霊園や民間霊園が選択肢にあげられます。
 
仏式のお墓のように仏教寺院の墓地に建てることは原則としてはありません。
中には宗教不問として受け入れている寺院もあるようですが、檀家になることを条件としている場合が多く、限定されます。
 
キリスト教徒の方で、どうしても寺院に建てたい理由がある場合には、受け入れてもらえるか住職に相談すると良いでしょう。
 

教会にお墓を建てるには?

教会にお墓を建てるための条件を見ていきましょう。
 
まず、クリスチャンであることが重要で、その教会で洗礼を受けなければいけません。
 
洗礼を受けるためにキリスト教や教派について学んだり日曜礼拝に参加したり、キリスト教への信仰や理解を深めることが必要です。
 
カトリックの場合は神父さん、プロテスタントの場合は牧師さんから洗礼を受けることにより、教会が所有・管理している墓地にお墓を建てることが許されます。
 

キリスト教の埋葬方法

キリスト教の埋葬方法は土葬が基本です。
 
しかし、日本では多くの自治体で土葬が禁じられています。
価値観の多様化にもあり、近年ではキリスト教でも火葬を選択する方が増加傾向にあるようです。
 
葬儀後はご遺体を火葬場に移し、聖歌合唱や司祭の祈祷、聖句交唱などが行われたのちに火葬されます。
火葬後はそのままお墓に埋葬するか、自宅で一度安置し、カトリックでは追悼ミサ、プロテスタントでは召天記念日に合わせて埋葬します。
 

まとめ

キリスト教のお墓についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
 
仏式のお墓とキリスト教のお墓では特徴の違いが多く見受けられます。
 
キリスト教では、お墓に信仰をおいているわけではないため、仏教のようにお盆やお彼岸など節目にお墓参りをするという概念がありません。
それでもキリスト教徒の方がお墓を大切にしてこまめに掃除を行うのは、宗教的習慣ではなく個人的配慮によるものでしょう。
 
宗教ごとにお墓の特徴や概念は異なりますが、お墓を大切に守っていくといった日本に根ざした文化に違いはないのかもしれません。