宗旨・宗派不問とは?|意味・注意点|トラブルを招かないために
- 2019.08.5 | 知識
新しく墓地や納骨施設などを探していると、広告などで宗旨・宗派不問という言葉をよく目にします。
宗旨・宗派不問という言葉だけを切り取れば、宗派に関係なくだれでも申し込むことができ、墓地や納骨施設を利用できると考えるのが自然です。
しかし、そう単純ではありません。
実は宗旨・宗派不問という言葉には、大きく分けて3つの意味が存在します。
3つの意味をもつ『宗旨・宗派不問』
1.宗旨・宗派一切不問
2.在来仏教なら宗派不問
3.過去の宗派は不問
宗旨・宗派不問となっていても、墓地・霊園によって意味合いが異なる場合があるのです。
トラブルを避けるためにも、どのような違いがあるのかを整理しておきましょう。
1.宗旨・宗派一切不問
文字通り宗旨・宗派不問で、仏教であればどの宗教の信者であろうと一切不問で墓地や納骨施設の利用が可能です。
ただし、仏教以外のキリスト教や神道などの場合は利用することが出来ません。
そのほかは宗旨や宗派について特に制限がないと考えて良いでしょう。
基本的にはあらゆる宗旨・宗派を受け入れてくれます。
一部の墓地または民営霊園がこれに該当します。
2.在来仏教なら宗派不問
在来仏教には13の宗派があり、それらの宗派の方であれば墓地や納骨施設を利用することが出来ます。
ですが、在来仏教ではない新興宗教などの信者の方は利用することができません。
宗旨・宗派不問と言っても、従来から存在する仏教の宗派に限定されているわけです。
そこでポイントになってくるのは13の宗派ですが、該当するのは以下の宗派です。
法相宗(ほうそうしゅう)
華厳宗(けごんしゅう)
律宗(りっしゅう)
天台宗(てんだいしゅう)
真言宗(しんごんしゅう)
融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)
浄土宗(じょうどしゅう)
浄土真宗(じょうどしんしゅう)
時宗(じしゅう)
臨済宗(りんざいしゅう)
曹洞宗(そうとうしゅう)
黄檗宗(おうばくしゅう)
日蓮宗(にちれんしゅう)
これらの宗派であれば、利用することができるという意味になります。
該当しない宗教や宗派では、墓地や納骨施設の利用を断られてしまうので注意しましょう。
3.過去の宗派は不問
これまでどの宗教・宗派だったかは問わないが、墓地や納骨施設の使用権を購入後はそれを管理しているお寺の宗派に従うことという意味です。
この場合、墓地の購入後は別な宗教・宗派に改宗しなければならなかったり、改宗は不要としても法要はそのお寺の宗派に基づいて行う必要があるなどします。
そのため宗旨・宗派不問とは言っても、この場合はお寺が定めた一定のルールに従うことになります。
改宗しなければ使えないとなれば、これまで信仰してきた宗教・宗派から離れなければならないこともありますので、慎重に確認しましょう。
4.宗教不問(宗教自由)
上記の3つの意味を持つ宗旨・宗派不問とは別に宗教不問の霊園も存在します。
宗教法人以外が運営している霊園がそれにあたり、主に公営や民営の霊園の多くがこれに該当します。
この場合はキリスト教や神道の方など、宗教を問わず使用することが出来ます。
また、宗旨・宗派不問の中に宗教不問の意味合いが含まれる場合もありまので、やはり一度確認することが重要です。
5.まとめ
このように宗旨・宗派不問という言葉にはさまざまな意味が込められています。
いったいどういう意味なのか、事前に確認するようにしておきましょう。
でなければ後でトラブルの原因にもなります。
一切不問という意味で宗教不問や宗旨・宗派不問という言葉を使っているのは公営や民営の霊園が多いので、その点も覚えておくと墓地探しがスムーズに進みます。
いずれにしても墓地や納骨施設を探す時は必ず言葉の意味について確認し、事前に使用権を購入して良い墓地なのかどうかを見極めることを心掛けましょう。