樹木葬|メリット・デメリット|新しい供養のかたち
- 2019.09.4 | 知識
樹木葬という言葉を耳にしたことはありますか?
近年、供養の形態として選ぶ方が増えてきている新しい埋葬方法の一つです。
とはいえ、一体どのようなものなのかピンとこない方も多いかもしれません。
そこで今回は、樹木葬の特徴や樹木葬を選択するメリット・デメリットをご紹介します。
供養を考える際に後悔しないためにも、きちんと樹木葬に関する知識を得ておきましょう。
樹木葬って何?
樹木葬は一般的なお墓とは違い、石をメインに組み上げたものではなく、文字の通り樹木などをシンボルとしてその周りにご遺骨を埋葬する新しい供養のかたちです。
中には区画ごとに1本ずつ樹木を植えていくタイプもあります。
また、どのような樹木をシンボルにするかは施設によってさまざまで、主に広葉樹や桜がシンボルとして用いられています。
樹木葬は自然葬とも呼ばれ、シンボルとされるのは樹木だけでなく草花で整備されることもあり、やはり施設によって特徴が異なります。
納骨方法も一様ではなく、一般的なお墓のようにご遺骨を個別埋葬するタイプもあれば、他の人と一緒に埋葬する合祀タイプもあります。
選択するにあたっては、しっかりと施設の概要を確認する必要があるでしょう。
樹木葬は永代供養という供養形式のところが多く、家族として承継していくものではなく、個人か夫婦ごとに埋葬するのが一般的です。
従来のように先祖代々承継されていくお墓というわけではないのも、樹木葬の特徴の一つです。
樹木葬のメリット・デメリット
樹木葬のメリットやデメリットをご紹介します。
樹木葬のメリット
樹木葬のメリットですが、従来の墓石のお墓とは違い、樹木葬の多くは個別に埋葬される一代限りの供養形式です。
また、永代供養の場合が多く、施設の管理や供養を管理者に任せることができます。
そのため、様々な理由からお墓の承継が難しい方にとっては選択肢の一つになるのではないでしょうか。
中には、亡くなった後は自然に還りたいという原点回帰の気持ちがある方もいるでしょう。
そのような方であれば、樹木葬はそれに近いスタイルとして魅力的に映るはずです。
綺麗に彩られた樹木の下で眠ることで気持ちが安らぐと感じるかもしれません。
他にも散骨と比較するときちんと手を合わせるシンボルがあることから、残された親族の心の拠り所としての役割を持つこともメリットといえます。
費用面でも比較的に価格を抑えることができるため、金銭面に不安があるけれどもきちんと供養してあげたいという方にとっては現実的な選択肢の一つでしょう。
樹木葬のデメリット
一方で樹木葬には、場合によってデメリットになることもあります。
埋葬方法によっては後からご遺骨を別の場所に移したいと思っても取り出せないケースがあります。
樹木葬を選ばれる際にはその点を考慮して選択するようにしましょう。
また、樹木葬と呼ばれるだけあり自然豊かな土地に施設があることが多く、アクセス面の問題なども出てくるかもしれません。
もちろん個別に埋葬できる樹木葬や、アクセスの良い樹木葬もありますので、事前に施設の特徴を十分に把握しておくことが重要です。
注意しておくべきポイント
樹木葬を選ぶにあたって注意しておくべきポイントをいくつかご紹介します。
樹木葬でシンボルとして植えられている木や周辺の草花は自分でガーデニングができるというわけではありません。
親族がお手入れをしてよいものといった印象を持つかもしれませんが、あくまでも管理者が整備する場合がほとんどですので心得ておきましょう。
また樹木は人工的なものでなく自然のものですから、時が経過すると共に外観も変化していきます。
枯れる可能性があるという点もきちんと踏まえておく必要があるでしょう。
樹木葬はこれまでの墓石に埋葬する方法と違い、まだ周囲に広く認知されている埋葬スタイルというわけではありません。
そのためいざ樹木葬を選択しようと思っても周囲から理解が得られにくいという現状もあります。
きちんと親族などに説明をしておくというのもトラブル回避のためには重要です。
まとめ
樹木葬の多くは、家ごとに墓石を建てるお墓とは違い、樹木をシンボルとした一代限りのお墓になるという点が大きな特徴です。
永代供養を検討している方には選択肢の一つになりますし、費用面でも比較的に安く利用できるなどの魅力もあります。
もちろん樹木葬ならではの注意点があることも忘れてはいけません。
まだ世間に馴染みがない埋葬方法であるからこそ、事前にしっかりと話しあい親族で理解を深めておくことが大切です。
親族の理解を得ることができれば、樹木葬は環境への負担も少なく地球に優しい、魅力的な埋葬方法といえるのではないでしょうか。