祝!国宝指定 ~技術と尽力の集大成 通潤橋~
- 2023.10.13 | 体験
こんにちは、コトナラです。
熊本県上益城郡山都町にある「通潤橋」が、9月25日に正式に国宝に指定されました。
橋など土木構造物としての国宝指定は全国初で、県内の建造物では青井阿蘇神社(人吉市)以来2件目になります。
「通潤橋」は、水不足に苦しむ白糸台地に水を送るため、矢部手永(現・山都町)の村長であった布田保之助によって1854年に作られた通水橋です。
長さ75.6m、高さ20.2mと日本最大級の大きさを誇る石造アーチ橋とされ、熊本県では知らない人はいないほど有名です。
この橋は、通潤用水と呼ばれる水路の一部であり、北側の取入口から橋の上に設置されている通水菅を通って、白糸台地のある南側へ水が吹き上がる仕組みになっており、橋を渡った水は今でも白糸台地上の約100haの水田を潤しています。
通潤橋は、現在の熊本県八代市東陽町に居住していたとされる石工の技術者集団「種山石工」たちを中心に建設されました。
まずアーチ型の木枠(支保工)を大工が作り、そこに石工が石を置き、
石管と木樋(緩衝材の役目)による水路を設置して、
橋が完成したところで木枠を外すという工法が使われています。
かかった費用は今でいうと約15億円!
完成の日、最高責任者であった布田は、死を覚悟して橋の上に正座したといわれています。
熊本県の小学生は社会科見学で通潤橋に行って、布田保之助や、種山石工のことを勉強するんですよ。
水不足に苦しむ人々の為に当時の職人さんの様々なアイデアや技術力、そして努力の集大成として建造された通潤橋が国宝として指定され、さらに注目を浴びるのは、熊本県民としてはとても嬉しいことですよね。
是非、熊本にお立ち寄りの際は「通潤橋」にも足を運ばれてみてはいかがでしょうか?