デジタル終活とは?方法・注意点などわかりやすく解説します
- 2020.04.13 | 知識
近年、終活という言葉を耳にする機会が多くなりました。
終活は遺言書やエンディングノートの作成、生前にお墓を建てる寿陵など、人生の終わりのための活動を指した言葉です。
自身が亡くなった後の供養を考える世代の間に浸透していますが、年齢を問わず行うことができるのが終活です。
ルールや決まり事もなく、始めたいと思ったときに始められる手軽さも広まった要因といえるでしょう。
多くの方が耳にしたことがある終活ですが、最近ではデジタル終活という言葉もメディアなどで取り上げられるようになりました。
デジタル終活は現代ならではといえます。
そこで今回は、デジタル終活とは実際にどういうものなのかをご紹介します。
デジタル終活って?
デジタル終活とは、デジタルデータを生前に整理することを指します。
パソコンやスマートフォンが普及し、以前より目に見えない資産がぐっと増えました。
端末に保存された写真や文書など目に見えるものに限らず、アカウント情報(ID・パスワード)なども含まれます。
現代ではパソコンのハードディスクやクラウドストレージなどを利用して大容量のデータを保管できることから、膨大な量のデータを保管されている方もいるでしょう。
また、SNSの発達により、SNSアカウントを所有している方やネットバンキングなどを利用している方も多いのではないでしょうか。
デジタル化が進む中で、わたしたちは自身の死後のデジタルデータの管理についても考えなければなりません。
現在では年齢や世代を問わず、老若男女がデジタル機器を使い、デジタルデータを扱う生活を送っています。
遺品整理という言葉があるように、手元に残るものは故人の死後、取捨選択がされます。
しかし、目に見えないデジタルデータに関しては、どのような扱いになるのでしょうか。
故人が亡くなった後、デジタルデータ絡みの問題が多く発生しているといわれています。
必要な情報がどこにも残されておらず遺族が困るケースや、他人に見られては困るデジタルデータが残されたままといったケースです。
このような問題を起こさないように、現代のインターネット社会にあわせたデジタル終活が徐々に広がりを見せています。
デジタルデータって?
デジタルデータとはデジタル機器の中に保管してあるデータのことです。
実際に生前整理することになるデジタルデータには、どのようなものがあるのかご紹介します。
パソコン・スマートフォン等で保管しているデータ
パソコンやタブレット、スマートフォン、携帯などに保存されているデータです。
写真や動画はもちろんのこと、日記や電子書籍、連絡先データなどがあげられます。
インターネット上で保管しているデータ
インターネットが普及したことによりさまざまなネット上のデータが存在します。
Webメールなどが代表的ですが、アプリやクラウドストレージに保存しているデータや、SNS・ホームページ・ブログなどのID・パスワードといったアカウント情報も含まれます。
これらは自身の端末上から削除しても、インターネット上には情報が残ったままです。
オンライン口座
インターネット銀行口座や仮想通貨、株取引など、オンライン口座を持つ方が増えています。
非常に便利な反面、いざ自身の身に何かあったときに家族が見つけづらいため、気をつけなければいけません。
有料サービス
サブスクリプションと呼ばれる支払い形態の契約者数も増えているようです。
利用時に決済して購入するものならその場の支払い限りで済みますが、サブスクリプションでは毎月決まった額が引き落とされます。
遺族が気づいて止めなければ、自身が亡くなった後も引き落としが続く可能性があります。
月額制の有料サービスを複数契約している場合には、登録している内容をまとめておきましょう。
デジタル終活の方法
デジタル終活の方法についてご紹介します。
家族にデータの場所を教えておく
人生の中で写真や動画を撮る機会はたくさんあると思います。
想い出が詰まったデータは家族と共有しておきましょう。
故人の生きていた証として想い出を振り返ることができますし、データの悪用や流出を防ぐためにも有効です。
家族にも見せたくないデータがあれば、見られないように整理しておく必要があります。
不要なデータを削除することもデジタル終活のひとつです。
アカウント情報を教えておく
SNSやブログ、ホームページなどを持っている方やクラウドサービスを利用している方は、ログインに必要なアカウント情報を一番信頼できる家族に教えておきましょう。
インターネット上に口座を開設している場合やインターネット通販サイトに個人情報を登録している場合にも、整理する必要があります。
特にクレジットカード関係の情報には注意しましょう。
生前元気なうちに整理することが望ましいですが、いざというときには家族に整理してもらえるよう、必要な情報は事前に伝えておくと安心です。
エンディングノートをまとめておく
一番確実な方法はデータの場所やアカウント情報などをエンディングノートに記載しておくことです。
エンディングノートに記載しておくことで、いざという時に必要な情報をまとめて確認できるため、家族の負担を減らすことができるでしょう。
自身が亡くなった後はもちろんのこと、情報を忘れてしまった場合でもあわてることなく確認できるのもメリットのひとつです。
エンディングノートに記入するにあたって注意したいことは、誰が見ても読めるように丁寧に書くことです。
せっかくエンディングノートに書き記していても、それが殴り書きされていたら遺族が読めないケースも考えられるため、注意しましょう。
まとめ
デジタル終活についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
聞き慣れない響きかもしれませんが、非常に時代に合った終活のひとつです。
年齢問わず、いつ自分の身に何が起こるかわかりません。
デジタル終活は進められるときに少しずつでも進めておくことをおすすめします。